東の海に吹く風


Final Fantasy Tactics


   


・イズルード×アルマ(しかしアルマは出てこない)。
・神殿騎士オールキャラでギャグネタ。ゆるゆるSS。


はじめてのおつきあい


イズルード「あっ…」
メリアドール「あらイズ、どうしたの、急にそわそわして」
イズルード「うん、実は、聖石が欲しくて…貸してもらえないかな?」
ヴォルマルフ「お前もゾディアックブレイブの端くれ。もう持っているではないか」
イズルード「そ、それはそうなんだけどさ…。大切な人に贈りたくて…それで、父上のと、姉さんの分も欲しくて…」
ウィーグラフ「ほう…『大切な人』とな…」
メリアドール「イズ…やっとあなたにもそういう人ができたのね! 姉さん心配してたのよ。そんなに真面目じゃあ女の子にはもてないんじゃないかと…」
イズルード「ほ、ほっといてくれよ! だいたいオレなんかよりドラゴンしか話し相手のいない上に還暦近い(?)バルクの方が重症度は高いとおmってうわ空からモスフングスの胞子が――」
クレティアン「はい、そこ喧嘩しない」
メリアドール「ねえ、姉さんにそっと教えてちょうだい。どんな人なの? その『大切な人』って誰なの? 私の知っている人?」
イズルード「別に誰だっていいだろ。オレ家族にだって秘密にしておきたいことがあるんだって」
バルク「なら赤の他人のおじさんのむさ苦しい胸にそっとささやいてごらん、少年よ!」
イズルード「もっと断る!!」
ヴォルマルフ「まあ誰でもよいが、何に使うんだ? 何故いきなりその『彼女』に聖石を贈ろうなんて思ったんだ」
イズルード「んー彼女がさ、『私のこと愛してるなら、持ってる聖石を全部ちょうだい!』って。へへ、かわいいだろ」
ウィーグラフ「待て待て、ただのゆすりじゃないか…! 落ち着けイズルード! お前はだまされてるぞ! これは新手の聖石強奪詐欺だ!」
ローファル「最近多いんですよね…聖石がらみの事件。ついこの間も意見箱に『聖石で起動した鉄巨人で親友に処理されかけました、なんとかしてください(M)』って苦情が。私たち神殿騎士は別に聖石事件の相談窓口じゃないんですけどね」
イズルード「詐欺だと…なんだよ。そんな危険なことしなって。だって彼女はちゃんと『バグロスの海に投げ捨てるだけだから』って」
メリアドール「イズ! あなた一体どんな子と付き合ってるのよ! 姉さんに話しなさい!」
イズルード「ちぇっ…しかたないなぁ。――彼女との出会いはそう、修道院の廊下だった…」
メリアドール「ふんふん、やっぱり教会で知り合ったのね」
イズルード「出会い頭に手違いでうっかり腹部強打をして気絶させてしまったが、そのままデートに誘うことに成功」
ウィーグラフ「おまえ…おとなしい顔して以外と行動力あるのな。ていうか、そんな最悪の初対面でよく彼女と交際出来たな」
メリアドール「私だったらそんな男許さない」
バルク「そういえば、今の王家夫妻も非公式で似たようなこと話してたな。姫さんもやっぱり修道院で殴られたあげくに誘拐されたと…でも結婚したんだよなぁ。オヴェリア王女。なかなかの恐妻家らしいが、意外なエピソードもあるんだな」
クレティアン「そうか…それが今の恋愛トレンドなのか…メリアドール! 私を殴るがいい!」
メリアドール「はいはい、後で好きなだけ踏んであげるから今は静かにしててちょうだい。で、イズ、その子はどんな子なの?」
イズルード「そりゃあもう、かわいくて…『血塗られた天使』って街じゃ噂されてるくらいさ!」
ウィーグラフ「お、おう、そうなのか。ミルウーダも鉄の女と言われていたが…」
ヴォルマルフ「そそるな! 是非ともディナーに誘おうじゃないか!」
イズルード「父上? いきなりですか?」
メリアドール「父さん、父さん…本当なの…?」
ヴォルマルフ「そうとも、聞こえなかったか? 血が足りない…と言ったのだ…人の子らよ、ククク身体が疼く…千年待ったのだ!そうとも!この日を…血が…血ガァァァァアアァッ」
ローファル「団長、団長、そういうのは外でやってください。子ども達が見てますから」
ヴォルマルフ「いかんいかん。儂も年じゃのう。イズルードよ! そんなにおびえた目をするでない…」
イズルード「ちちうえ…」
ヴォルマルフ「しまった、どうやら私は息子の信用を失ってしまったようだ…年頃の子は難しいな」
ウィーグラフ「うちのミルウーダは機嫌が悪い時は、野菜スープを作ってやると機嫌よくなったな。いつも豆しかないってわめいてたからな」
バルク「お前…こんど肉料理おごってやるよ…一緒に食いに行こうぜ」
ウィーグラフ「ありがとな。ミルウーダに食べさせてやりたいよ」
ヴォルマルフ「そうか…プレゼントをすれば良いのか…イズルード! 何か欲しいものあるか?」
イズルード「せいせき…」
ヴォルマルフ「聖石以外で! どうだ、リオファネス城とか欲しくないか?」
メリアドール「父さん…いつの間に城主になったの? バリンテン大公のお城なのに…」
ヴォルマルフ「ああ、あそこはな…その気になれば私は百人斬りほどたやすいものはないぞ…ふふ」
ローファル「ヴォルマルフ様? 耳が遠くなりましたな? 異端者にライオン狩の依頼を出しましょうか?」
ヴォルマルフ「おおっと…うむ。イズルード、メリアドール、今夜は三人でディナーとしようか。久々に家族団らんといこうではないか。イズルード、あとでゆっくり話しを聞こう。おまえのそのかわいい『彼女』とやらについて教えてくれ――」





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